平成9年2月
東予テクノクラブ例会
Update Feb.19 1997

東予テクノクラブ2月度の定例会は、新居浜商工会館3F第1会議室に於いて、 2月19日(木)午後6時半より行われた。平田利実会長の開会挨拶に続き、 自社開発として前回発表された「ゆらぎ」のあるランプの発明により、 その後の商品開発の経過についてサンプルを公開しながら説明。 今後の展開プラン等についても抱負を話された。 従来蝋燭を使う習慣の事例、又は柔らかな照明によるムードをかもす目的等に対し、 火災などの安全対策、自動コントロールなどに対応の容易なこのランプの、 広範な用途開発がこれからの課題としている。

Lamp+1

一見蝋燭風のゆらぎのある光り方をするランプの、最初の開発商品案としてレストラン等で使用される、 キャンドル風卓上ランプの試作品。

Lamp-2

第2の試作品として、神棚の神殿等に飾る燈明をイメージして作られたサンプル案。 デザイン的には、まだまだ色々な事が考えられるが広く皆んなのアイデアを募集している。

Y・S建築設計の鈴木義人氏からは、現在建築が大詰めにきている、新居浜市商業振興センターの、 設計・受注に至る苦労話が発表された。建物の設計期間は3ヶ月の余裕しか無かったにも関わらず、 総工事費が約10億円という大きなプロジェクトであった。 設計に当たってはボーリング等による地質調査から、平面計画、法規チェック(建築基準法、消防法等)、 基本計画打ち合わせ(平面、立面、断面、仕上げ等)そして計画案の修正があって、 ようやく2ヶ月後に基本計画が承認されるという手順であった。 詳細設計は開始から1ヶ月間で行われ、設備、使用材料では、特に屋根材(幕構造)等は 四国で始めての採用のため大阪の業者との折衝など大変な手間が掛かった。 舞台装置として可動式観覧席、可動式舞台、照明等の吊りものは全て大阪の業者と打ち合わせ、 四国で調達出来たのは音響設備のみであった。これらを勘案して最終的な工事予算の修正が行われ、 設計図の概略が終了(A1版250枚)。 その他の苦労話としては、使用材料及びメーカーの数は数えきれない程あり、材料決定に時間が掛かること。 建築基準法及び消防法は、役所に専門家が居ないため打ち合わせに手間と時間が掛かること。 計画は全く「無」から平面、立体的に計画をするので正解がなく、決断力が迫られたこと。 また材料の選択と色彩の決定は最も勇気が必要であった。 四国内にはあらゆる面で、専門業者というものがいないので、打ち合わせ時間などでは余分な手間が掛かった。